BLOOD THIRSTY 02


その男

暴走族集団「美麗」の直樹は、朝から絶好調。今日の終わりに河川敷でどんちゃん騒ぎをしていたところ、見知らぬ男がやってくる。
彼の手には銀色の銃が握られていた。

何でも屋の仕事

〈サイコ・ブレイン〉の捜査は暗礁に乗り上げていた。閉塞感を打破するために、真一はフィアスに「何でも屋」の仕事を斡旋する。
真一の事務所へ向かうと、制服姿の「取り立て屋」が二人を待ち構えていた。

開業「何でも屋」

「何でも屋」の初仕事はシマ荒らしのゴロツキを撃退すること。情報収集も兼ねて、フィアスは銀座の街へ繰り出す。
一方、真一は行きつけのバーで、仕事を始めたばかりの若き日々に想いを馳せる。

〈サイコ・ブレイン〉動く

真一との共同戦線を休止したフィアスは、単独で情報収集に出掛ける。そして知り合った女性から〈ドラゴン〉が笹川組という組織に所属していたことを知る。
その頃、真一はアメリカから帰国した旨を祖父に報告するため生家へ赴いていた。

その女の名は

「何でも屋」の前に佇む女性は、死んだはずの龍頭彩だった。動揺を隠しながら、フィアスは彩と行動を共にする。
図書館へ情報収集に出掛けた真一は、〈ドラゴン〉が連続殺人事件の犯人として逮捕されていたことを知る。

Interlude 1

立てこもり事件

〈サイコ・ブレイン〉が潰しにかかってきている。身の安全を考えて、新たなアジトに身を移したフィアスと真一は、横浜で立てこもり事件が発生していることを知る。
奇しくもその場所は、荻野茜が通学する高校だった。

笹川の若頭

立てこもり事件を解決したものの、真一の顔は浮かない。笹川組の次期後継者に指名されているからだ。
フィアスは茜に呼び出され、真一がヤクザの頭領になるのを止めるように懇願される。

Interlude 2

蝶の紋章

凛を匿うことに決めたフィアスは、彩の面影を見て苦悩する。そんな折、凛から自身の秘密を指摘され困惑する。
フィアスの秘密ーーそれは父親に殺されかけ、幼少の記憶を失ったことだった。

君の傍にはいつだって

17年前、父親に橋の上から突き落とされた。悪夢にうなされて目覚めるフィアス。そんな彼を見兼ねて凛は料理を作る。
しかし、孤独ゆえの寂しさから、凛は〈サイコ・ブレイン〉時代に付き合いのあった友達に連絡を取ってしまう。

Interlude 3

Interlude 4

ファースト・コンタクト

キョウヤから〈ドラゴン〉の手掛かりを得たフィアスは、〈ベーゼ〉へ向かう。その晩、凛を一人にしないと誓いを立てて。
そして、〈ベーゼ〉にて、かつて〈ドラゴン〉と呼ばれていた男、龍頭正宗に出会う。

真相

龍頭正宗は語る。17年前、15人を殺害したあの事件の全貌を。そして、なぜ龍頭姉妹を組織に売ることになったのかを。
そこには、亡き妻・葵との痛切な再会が絡んでいた。

脱出

正宗とともに〈ベーゼ〉からの脱出を試みるフィアス。敵を次々と撃ち倒し、建物の出口へと向かう。
その頃、空港に降り立った赤髪の男は、フィアスの足取りを追っていた。自身を「救世主」と名乗りながら。

原初の記憶

深い眠りから醒めたフィアスは、研究所の一室で父親の写った写真を目にする。ゴロツキだったはずの父が実は〈サイコ・ブレイン〉の科学者だったのだ。
その瞬間、強烈な頭痛に襲われ、過去の記憶が呼び起こされる。

Interlude 5

フォックス

病院で目覚めたフィアスは、不倶戴天の敵・フォックスと再会する。
組織を追放されたフォックスは嫉妬と闘志が入り混じった不屈の炎を燃やしつつ、〈サイコ・ブレイン〉との接触を試みる。

破壊の子どもたち

後天遺伝子を注入されたフォックスを始末するべく、フィアスとフィオリーナは共闘する。
凛はアジトを抜け出して、父親に会うべく単独行動を開始する。それは、巧妙に仕組まれたフォックスの罠だった。

ルーツ

凛が組織の女であることを見破られ、動揺するフィアス。
わけを尋ねた真一が知ったのは、二人の幹部が確執を抱える原因にもなった、イタリアでの事件だった。

後天遺伝子

覚醒させた後天遺伝子を武器に、フィアスとフォックスは激突する。
後天遺伝子の深刻な欠点ーー生き延びるための反動が、顕現することも構わずに。

話をしてくれないか

新たなアジトへ向かう途中、真一は幼少の思い出を語る。それは、自身の五感に根付いた特別な記憶。
容態が回復した凛も、家族に対する特別な思いをフィアスに打ち明ける。

Interlude 6

確保した「赤目」を搬送すべく、フィオリーナとシドは「ネクロマンサー」と呼ばれる異形の狙撃手と再会を果たす。

コール・ミー

「コール・ミー」の伝言に埋めつくされた時藤小百合の家で戦いの傷を癒す三人。しかし、凛の様子がおかしい。
一方、逃亡中の龍頭正宗は、かつての戦友・一之瀬慶一郎と再会する。

Interlude 7

「ネクロマンサー」のヨンとコンは赤目搬送のミッションを受け、西ドイツの森へと到着する。
彼女たちを待ち受けていたのは、女神の名を冠した青年・イズンだった。

業火

横浜に戻った三人を待ち受けていたのは赤い目のテロリストだった。
荻野茜の救出とともに、フィアスはある知らせを受けるーー「龍頭正宗が見つかった」。

希望の別名

「彼女は人間の形をしたロボットだ。インプットされた情報が間違うとエラーを起こすんだ」
二人は偽の人間を演じ、強烈な暗示に掛けられた、奇妙な狙撃手と対面する。

めぐり狂う日常

埠頭の一件から三週間後、「赤目狩り」の手掛かりを探しに、殺人現場をめぐりはじめる二人。
警察側の捜査は核心に迫りつつあった。

ハート・ミー

ネオと再開したフィオリーナは自滅作戦を試みる。一方、フィアスの深夜行動にともなう異変に気づく凛。
後天遺伝子の秘密について、彼女は言った。「あたしを信じて。あたしを傷つけて」。

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三人の切り抜け方

フィオリーナの銃撃、真一との約束、凛との秘め事、狙撃手の出現……。怒涛のように巻き起こる変化。
「俺の答えを、希望の一つにくわえてくれ」窮地を切り抜けるため、真一はある提案をする。

希望と約束

残された二人の元へ暗殺者が侵入をくわだてる。彼女は震える手で銃を構えた。
一方、正宗と行動をともにするフィアスは、赤目の少女を前にして取り戻した感情の作用に気づく。

遺伝子のゆくえ

遠い過去、少女のフィオリーナはルディガーに愛情を拒絶される。
「過去に戻ろう」−−目覚めた彼女は一連のテロを企てた兄から真の目的を聞かされる。

寝室とリビング

1

go home

銃撃を受けた真一は目を覚ます。茜から戦地に向かった二人の話を聞き、彼らの行末に思いを馳せる。
一方、日本庭園を臨む縁側で凛は目撃する。小雨に霞む橋上に佇む恋人の影を。

アルド

青いにおいが鼻をついた。ここは病院。
目の前には老女と青年。彼らは眠っていた七日間に起こった出来事を説明する。

エピローグ

平和を噛み締め眺める対岸。俺はまだ、「こちら側」の世界にいる。
三ヶ月後、アルドは真一と凛を連れてアジトへ向かう。そこには「犯罪社会の女神」、フィオリーナが待っていた。

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