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ザナルカンドを背負って筋トレ

「ファイナルファンタジーX」の歌舞伎が話題になってますね。
皆さん観に行きますか?……っていうかチケット取れるのかな。一瞬で売り切れそうですが。

わたしはテレビCMで知りました。目を疑いました。FFと歌舞伎。すごい組み合わせだ。そうきたか。
企画した人もすごいし、実現させた人もすごいし、アレンジしてる人たちも、歌舞伎役者さんたちもすごいです。

これはお前の物語だって感じですね。応援しています。

過去にUNIQLOもファイナルファンタジーとコラボしていました。
覚えていますか? FF35周年記念のやつ。

歴代のFFシリーズがユニTになっていました。
これも、そうきたかと思いました。

着るだけで経験値2倍になりそうだ、と思いました。

着るだけで何かをドローできそうだ。
ヘイストもプロテスもシェルもかかってそうだ。
もはや現実世界でつよつよになる最強武器ではないか?

これは買うしかない、と思いました。

同時に、葛藤も生じました。
わたしもだいぶん良い大人です。

「ゲームのTシャツ着てますよ!」と主張するTシャツは、着こなせない。

いやでも人目を気にしてしまう。

現実世界の経験値を上げすぎて、無邪気に、純粋に、愛を叫ぶことが出来なくなってしまった……(許してくれ)。

販売前の告知サイトを見ながら、悩みました。

ほんとは全部欲しいけれど、買うからには普段着として愛用したい。

キャラクターが描かれているのは、ほんとうに、ほんとうに、申し訳ないけれど、着る勇気がない……。

デザインやサイズを入念にチェックしました。

悶々としながら、「ファイナルファンタジーX」だったら着こなせるんじゃないかと思いました。

FFXのTシャツは、背面に画像が入っています。
「ザナルカンド」という遺跡に、各キャラクターの使用武器が刺さっている。
ざっくり言うと風景画像です。
大地に刺さった剣とか杖。
日常的に着こなせる範囲におさまっている。

FFⅩのTシャツで、プロテスとかシェルを掛けようと思いました。

しかし、FFXか……。
シリーズ屈指の人気作品にくわえて、このテイスト。
発売直後に売り切れるんじゃないかな……。

ところがどっこい(?)、入手できました。

手に入れたTシャツは、遠目に見ても近目に見ても風景画。
分かる人には分かるけれど、分からない人には分からない、絶妙なラインを行っている……!

いいぞ、いいぞ……!

胸ポケットに刺繍されたブリッツボール(作中に出てくる球技)のロゴもいい感じだ!

というわけで、普段着として着用しつつ、筋トレウェアとして活用しています。

このエッセイを書いている今も着ています。
着ているから書いているとも言う。

FFXのTシャツを着ているとき、
「背中にザナルカンドを背負っているのか……」
と思っています。

筋トレをしているとき、
「背中にザナルカンドを背負って筋トレしているのか……」
と思っています。

1000年前は大都市として繁栄をおさめ、
現在は究極召喚を行うため召喚士が目指す最果ての地……

ザナルカンド……

すごくプレッシャーを感じるのは気のせいでしょうか。
なんか色々な圧を感じるんですが。
気のせいでしょうか。
あの音楽が流れてくるのも、空耳かな。

材質が良いし、内ポケットがついているし、生地の厚さもオールシーズン使える感じで、着やすいんですけどね。

とにかく背負っているものが重い。

ここからかなりマニアックです。

FFXの主要キャラクターに「アーロン」というパワー系のおじさんがいます。

白髪混じりのオールバック。酒瓶と大刀を引っ提げた、いぶし銀のおじさん。
しかし、ご年齢は35才……。

二十代の中盤くらいに、「アーロン35才」を知り、仰天しました。

そこから年齢を重ねるたびに「アーロン」が出てきて、
「ついに〇〇才か……あと〇年でアーロンと同い年になってしまう」
と意識しつつ、嘆息しています。

先日、友達との飲み会で、
「〇〇才になってしまった。アーロンと同い年になる日が近づいている……」
と落胆していたら、

「なんでそこまでアーロンを気にするんですか?」
と聞かれました。

一年前にも「アーロンまであと〇年だよ……」とボヤいていたらしい。
普通にやばい。

なんで年齢の基準値が「アーロン」なのか。
その基準値とはなんなのか。

わたしにも分かりません。

ただ「アーロン」と同い年になったとき、なんらかのハードルの高さに絶望していそうでこわいです。

はやくはやく。
誰かビシッと「これはお前の物語だ」と言ってください。

うかうかしていると言う側になっちゃうぞ!

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リップクリーム切れた

この冬で二本のリップクリームを使いました。
リップクリームって永久機関じゃないんだ。感動しました。

今まで、リップクリームを使い切ったことがあっただろうか(反語)。

わたしの中でリップクリームは、

使い切れずシーズンオフになる存在。
鞄の内ポケットで忘れ去られる存在。
そして、三年後くらいに発掘されて、
「うっわ! 汚ねっ!」ってゴミ箱にポイされる存在。

「コロ…シテ…。コ…ロ…シテ…」

と古びたリップクリームたちの魂の叫びを何回も聞きました。
すぐにポイしてやりました。

ずぼらなわたしは、リップケアをするのが面倒くさく、学生時代は冬になると唇を赤く腫らしていました。

ひねくれているので、「口紅つけてるみたいで逆にオシャレ!」とイキっていました。

アホの中学生に塗る薬はありません。
リップクリームすら塗らないのですから。

しかし、寝る前に唇を潤すことを習慣にしてから、今冬で二本が爽やかに成仏!

うれしい!

心が浄化された幽霊とか、自己犠牲的な妖怪を泣く泣く倒している地獄先生なみの感動回!

完全に使えなくなったリップクリームからは清らかさすら感じます。

ありがと!! と思ってゴミ箱にポイします。

気合いを入れてダンクシュートを決めるようにポイするので、外目にはキレているように見えるかもしれません。

この達成感は、わたしとリップクリームにしか分かるまい……。

しかし、リップクリームが切れると本当に唇が乾燥して痛いですね。
あとで三本目に成仏させるリップクリームを買ってきます。

なにがいいかな。

特にこだわりがないから「メンソレータム」かな……。

ハチミツっぽいにおいのどろどろしたのメルティなのを前回は使ってみました。

「リップクリーム 市販 おすすめ」とかで検索をかけた後、出てきた商品の口コミを見て、購入を判断。

ドラッグストアの化粧品売り場で携帯をいじっている女子は、だいたいこれをやっています。

そういうことでわたくしも、これから調査を開始します。

前回

メンソレータムリップ メルティクリームリップ リッチハニー 2.4g×3個 リップクリーム セット 2.4gX3 グラム (x 3)

今回はこれにしました

メンソレータム リップベビーナチュラル ピュアハニーの香り 4g

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思い出す何か

ちょっとオカルト的な話になります。

「行ったことのある場所を一定期間思い続ける」ことが何回かあります。

そこに行きたいわけではありません。
用事もない。写真も撮ってない。インスタグラムもない時代。
きれいな場所でもありません。

思い出す場所はピンポイントです。

「母方の実家近くの線路橋の上のフェンスの角」とか
「友達の家に掛かっている木橋の下」とか
「水泳教室の外壁の上の部分」とか。

ちょっと具体的です。

繰り返しますが、その場所にべつだん用事はありません。
思い出深い場所でもありません。

ただ習い事とか遊ぶ際に目に映った背景の一角です。

でも、ずーっと思い出しています。
仕事中も誰かと話す時もご飯食べる時も。

写真で撮ったみたいに、画角は固定されています。
しかし、電車とか川の流れはあります。

線路には電車が走っていて、橋には小川が流れています。
プールの外壁の向こうも線路なのでたまに電車が通り過ぎます。

それは小学生〜高校生くらいの間に通りすぎた場所。
今ではまったく足を向けていません。

母方の実家とも、その友達とも疎遠です。

そして、ある一定期間を過ぎるとブームが過ぎたみたいに忘れます。

どうしてあの場所のことを、あのアングルで、一ヶ月以上も思い続けていたのか。謎めいています。

わたしは怪談話とか都市伝説とかネット・ミーム的なものが好きです。
ホラー映画もたまに見ます。

しかし、霊感はありません。

幽霊も見たことないし、超能力もないし、むしろ人の気持ちさえ分からない空気の読めないタイプです(涙)

オカルト的な話、と言いつつもオカルトとは関係ないかもしれません。

ただ、なんとなく昔の記憶を思い出しているだけ。
他に考えることがないから、適当な記憶を呼び続けているだけかも知れません。

その場所に行って、不可思議な現象に遭遇したり、何かを発見できたら面白いのですが、確かめに行ったことはありません。

思い出す場所はどれも自宅から微妙に行きづらい場所にあります。
「見に行った方がいいのかな」と思いつつ足を運べないまま終わります。

そしてブームが去っていく。

中でも強烈だったのが、「友達の家に掛かっている木橋の下」。
もっと詳しく言うと、木橋の下の小川の端っこの部分。

小学生の頃、友達と遊ぶときたまに渡っていたのですが(頻繁でもない)、ずーっとずーっと思い出していました。

もはや「思い出させられている」レベルでした。

あまりにもそのことを思い出すから
「霊感はないけれど、あの橋の下で小動物的な何かが死んでいるのかも知れないな」
と思いました。

なんで私に知らせてくるのか知らないけれど。
そして見にも行かないけれど。
マジだったら怖いし。

なんでしょうね。この現象。

スピリチュアルなの? それとも脳科学に関係してるの?

「水泳教室の外壁の上の部分」を最後に、ここ二年くらいは思い出し現象もおさまりました。
不思議な体験をすることも、幽霊もUFOも見ることもなく、ごく普通のインキャな日常を送っています。

そうそう、「母方の実家近くの線路橋の上のフェンスの角」。

結局、確かめに行かなくて、ブームが過ぎ去りました。

数年経った後、その場所を舞台にした「あすかちゃんが死んだ」という短編小説を書きました。

ブームが過ぎた後だったので、この短編を書くために思い出させられたとかではないです。
書かせられていたら怖いです。怨念を感じる。

「そういえば、あの線路のことをずっと思い出していた時期があったな。あそこを舞台にして小説でも書いてみるか」
というメタ認知的な思いで書きました。

思い出す何か。
なんで意味のない場所のことを思い出したりするんでしょうね。

結論もなくおわってしまいます。おわり。

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