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プログラミングコードを書くときと小説を書くときの違い

現在、小説サイトを鋭意改装中です。ちょっとだけ動いたり、小説ページを読みやすくしたり、WEBデザインも今風にアレンジしています。
ブログもがしがし書いていきますので、お楽しみに。


と、小説サイトの宣伝はさておき……

わたしがWEB系の業界人とやり取りする名刺には、「昼間はhtmlを書いて、夜は小説を書いてます。」と自己紹介文を載せている。
両方とも同時期に書き始めたので、htmlと日本語は表裏一体なんですよ、という想いで載せている(まあ80%くらいギャグだけど)。

プログラミングコードを書くときと、小説を書くときの脳みそは、使う部位が違う気がする。
コードを8時間書いた後で、小説を4時間書いても、疲れない。
……いや、この言い方は語弊があるな。
コードを8時間書くと疲れるんだけど、その後で小説に切り替えると、コード疲れが悪化しない。
小説のライフケージに切り替わる。
例えるなら、バトル中にポケモンを入れ替える感じ。

もういい、もどれ!

ガッツリプログラミングコードを書く会社に勤めていた時は、8時間コードを書いたあと、帰宅して4時間小説を書いていた。
まあ椅子に12時間座りっぱなので、腰痛・肩こりはあるんですが、脳みそは熱暴走しないんです。不思議だね。

どの部位を使っているんだろうか。
「右側」とか「斜め後ろ」とかいう分け方よりも、「外側」と「内側」という方が、しっくりくる。クルミの表皮と中身みたいに、かなりきっちりした区分けが脳内でできている。
「外側」はプログラミングで、「内側」は小説。

「外側」はウェイトが軽くて、ほぼ反射的に言語が浮かぶ。言語を書いて、cssで動かなかったら、違う書き方をして……なんとなく、身体を使って書いてる感じ。

「内側」はウェイトが重くて、じっくりゆっくり言語をこねくりまわしている。言い回しや比喩を厳選し、書いては消し、消しては書く……なんとなく、精神を使って書いている感じ。

プログラミングコードを書いたあとは、良い運動したな〜と伸びができる。
小説を書いたあとは、頭がカッカして、さっさとベッドに入って眠りたくなる(しかし寝つけない)。

傍目に見ると、どっちを書いているのか分からないのに、頭や身体に明確な違いが出てる。
疲労感の強い方は、言うまでもなく……
ちなみに、この文章も、プログラミングをした後に書いています。

「IT土方」という言葉がありますが、それこそプログラミングに使う脳みそって、緻密さが必要な大工さんや、瞬間反射に長けたスポーツマンの脳みそに近い部分を駆使しているんじゃなかろうか。知らんけど。
プログラミングって、ちょっと競争とか勝負に近い感覚ある。

そういえば、「インターネット・インディアン」と言う短編小説を昔に書いた。この小説の舞台はインターネットの世界で、ふんだんにhtmlタグが出てくる。表裏一体のものを表も裏もなくぐちゃぐちゃに混ぜたらどう反応するのかと思って実験がてらやってみた。
あの小説を書いていた時は、「内側」を使った記憶がある。
やっぱり、小説をベースにhtmlを載っけると、脳みその「内側」を使う比率が高いのかな。

逆に「外側」、htmlをベースに小説を載せるとどうなるんだろう……やってみたい気もするけど、Googleのペナルティー、喰らいそう(笑)

※蛇足かも知れないが……「デザイン」をしているときに使う脳みそは、なぜか「内側」が熱を帯びる。
「デザイン」すると精神力の消耗が激しい(しかも消耗速度が速い)。
いつか、しっかり書き留めておきたい点です。

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最近読んでおもしろかった本

サピエンス全史 上下

ユヴァル・ノア・ハラリ

ヒトの祖先、ホモ・サピエンス。他の類人猿を押し退けて全世界に進出した我々の歴史を紐解いていく。

高校生の歴史・公民を習う前に読みたかった……。

宗教・貨幣・産業・戦争・科学……人類が手を染めたあらゆるジャンルが広く深く語られていてすごい。本の中にミニチュアの地球が入っているみたい。

どの章も必ず目から鱗の知識が入っているんだけれど、特に面白かったのが「小麦」と「宗教」と「帝国」の話。クリスチャンでさえ一神教じゃなかったんだ。びっくり。

タタール人の砂漠

ディーノ・ブッツァーティ

戦いのない平和な砦に勤務となった若い軍人が、戦が起こるかも知れない希望にすがって、人生をすり減らしていく。

物語序盤は、とにかく砦の中に入ってくれ門番に門前払いをされないでくれ砦の周りをウロウロしたまま老けないでくれ、と願いながら読んだ。

新卒入社2年目くらいの若人にすすめたい。主人公の抱く不安は、現代社会にも通用する。

不条理といえば不条理だけど、主人公にも選択の余地は残されていたと思う。まるきり運命の力技というわけでもなく、それ故に救いが残されているところが良い。

今、台湾で隠居してます

大原扁理

年収90万 東京でハッピーライフを送っていた筆者が、お次は台湾移住(隠居)へ。
ゆるやかな時間が流れる異国で、のびやかに綴られた生活の知恵。

わたしも海外でだらだら過ごしたい……と野望を抱いているクチなので、序盤の海外移住の準備や手続きの部分はとても勉強になった。

が、筆者の大原さんって、たいへんサバイバル能力の高い人なんだなとも感じる。普通の人が低所得のまま海外へ移住するのは、リスクが高そう……。

という感想を度外視しても楽しい本だった。ちょっとシニカルすぎる部分もあるけれど、まあスパイスということで。

大原さん、現在は東京のご実家におられるとどこかのWEB記事で読んだ。東京生活のエッセイ出してほしい。出版社さーん。

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ティーンエイジャー危機映画

ネットフリックスで「見えない存在」というブラジルの映画を見た。ざっくりあらすじを書くと、妊娠中絶が禁止のアルゼンチンで、十七歳の女の子が妊娠中絶の方法を探す話。

ほんとにざっくり……。

ヒューマンドラマなんだけど、盛り上がるような起承転結はなく、全編を通して静謐で、淡々と時が流れる。女の子も口数が少なく、家族の問題を抱えて疲れ切っている。

なんとなく、深夜枠のNHKドキュメンタリーを見ている感じ。

会話もなく流れる息遣いの、リアリティが哀しい。

この映画は、女の子の苦悩というよりは、社会への問題提起として作られているように感じた。

2020年にアルゼンチンは人工中絶が合法化されたらしい。

もしわたしが現地人だったら、淡々と流れる映像から色々なものを汲み取れたかも。その場所に生きる人にしか、伝わらない感情ってあるんだろうな。

ティーンエイジャーが辛い目に遭っている映画をよく引き当てる。

ジャケットで選ぶと、精神的に疲弊し過ぎて何も感じなくなっている十代の女の子の主人公率が高い。そして、そういう映画の女優さんの演技力が高くて驚く(かなり身体も張っている)。

演技って、時を超越するのかな。凝縮するのかな。芦田愛菜様に聞いてみたい。

最後に、天野オススメの「ティーンエイジャー危機映画」を紹介します。

アマプラ・Hulu・ネトフリのどれかで観れたはず。

憂鬱な日常にぴったりの、映像のくすみ感も素敵なのでぜひどうぞ。登下校は曇りの日が多いよね。

●「ブルー・マインド」

女の子の体調の悪さがぐっとくる。女優さんの体調の悪い演技が本当に上手くて、こっちまで体調悪くなりそう。

思春期の女子特有の気分の変調がとてもリアルなのと、敵味方の区別が洋服の色使いでさりげなく暗示されているところが好き。

●「プレシャス」

観たのは10年前だけど、未だ鮮明なシーン数々。こんな家庭あるのか、と思うほど悲惨な家庭だが主人公の女の子がタフなので病まずに観れる。

病むと、あたしは輝いているイケイケな女子なのよ! という妄想がフラッシュバック的に脳裏をよぎる。本当に危うくて良い。

●「ヴィオレッタ」

女の子が二次元から出てきたんじゃないかと思うほどかわいい。これは母親が玩具にするわ……というくらいかわいい。実話なのか、これ。

あとシド・ヴィシャスだったのか、彼。

とりあえず観てください。かなり悲惨な目に遭っているのに、女の子がかわいすぎてストーリーが集中して追えないのが難点ではある……。

●「8 Mile」

エミネム……ラップバトル前の体調不良がほんとに辛そう。アグレッシブな青年のエミネムがとにかくカッコイイけれど、この環境に身を置くのはキツ過ぎる。とにかく周りの人がキレるし攻撃的だし銃出すし、今日を生きるのに必死な感じが観ていてしんどくなる。

「ティーンエイジャー危機映画」もっと観たいです。こういう系統の映画ほかにもあったら教えてください。アンニュイな気持ちと戦いながら楽しく観ます。

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