※ニンテンドー64の「ゼルダの伝説 時のオカリナ」「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」をやったことのない人しか分からない話です。しかも、かなりコアな部分をフォーカスして、ほとんどオタク話です。
この前、ボーッとしながら昔を懐かしんでいたら、「そういえば、ゼルダの伝説ってエッチだよな」と思いました。
ニンテンドー64の「ゼルダの伝説 時のオカリナ」。
全年齢対象だし任天堂作品なので、具体的なエッチさは皆無ですが、抽象的にエッチな部分がもりだくさん。
小学生だったわたしは、エッチな部分に関しては、「よく分かんないけどエッチだな」と思いながら遊んでいました。それでも、かなりの抵抗を感じました。
なんていうのかな、あの感じ……。
エッチなんだけど、恐怖が混じってるエッチさというか。
妖精の泉にいる「大妖精サマ」が代表例なんですが、全方向に性的すぎて、もはやエッチささえもが吹き飛ぶ恐怖の化身です。
ただただエッチなものがいる、エッチなものと対峙するダイナミックな恐怖心。
改めて、「大妖精サマ」を説明すると、
主人公が連れている妖精の女王様的な存在で、セクシーな見た目の見方キャラクターです。試練とか鍛錬といった名目の面倒くさいバトルも仕掛けてきません。
「大妖精サマ」は「大妖精の泉」にいて、レアアイテムをくれます。
「大妖精の泉」はゲーム内の数カ所に点在しています。
各地に「大妖精サマ」(姉妹?)がいて、レアアイテムをもらうため、一人一人に会いに行かなければ行けません。
呼び出して、話をしたらアイテムをくれます。
めっちゃでかい、ほとんど素っ裸の女性が叫びながら泉から出てきて、宙にぷかぷか浮きながら、うふーんって言います。
艶めかしい、エッチなBGMも流れます。
すごーく嫌でした。セクハラされそうで。
しぶしぶ会いに行っていました。
もうこれ、いたいけな小学生のプレイヤーに性教育しようとしてるだろ、というくらい「大妖精の泉」はエッチ。
同じようにプレイしている同年代からも「大妖精サマがこわい」という共感の声をもらいました。
みんな、「大妖精サマ」のエッチさが怖かったんでしょう。
子供の目線から見た大人のエッチ感?
見てはいけないものを見てしまったエッチ感?
「時のオカリナ」は、大人しか知らないタブーを持つキャラクターが多く、ドラゴンや幽霊と戦う以上の怖さが移動中にありました。
インパ様とかツインローバ(最終形態)とか。
あ、あの婆さんたちはボスか。
謎のイケメン・シーカー族のシークもある意味エッチ!
「恐怖のエッチ感」は大人の女性キャラクターが秘めていましたが、
小悪魔系のエッチ感は女の子のキャラクターが持っていました。ルト姫とか。wiiのミドナ姫とか。
もうフォルムからエッチです。人間じゃないからか、服を着ない文化圏の人だからか知らないけれど素っ裸だし。異様に貧乳とくびれの造形がリアル。
彼女たちには「底知れぬエッチ感」がありました。じわじわくる幼児体型。
ストーリーもゲームシステムもすごく面白いから何度でも楽しめるんだけど、女性キャラクターが持つエッチさに対しては、いつまでもびくびくしていました。
3D技術は今と比べて、(当たり前だけど)非現実に近いんですが、妙に生々しいんですよね。肉体的なものが。昔の「ゼルダの伝説」って(笑)
64版で発売されたゼルダの伝説は2つあって、
「ゼルダの伝説 時のオカリナ」
「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」
ムジュラの仮面は時のオカリナの続編になっています。
ニンテンドー3DSで両タイトルともリメイクされています。
上記のエッチ感は、主に「時のオカリナ」に出てくるキャラクターが持っています。続編の「ムジュラの仮面」はエッチさが控えめ。
その代わりに、東洋的な呪いや呪物、成仏や怨念という、死の世界を描いていて、「時のオカリナ」のエッチ感とは真反対の抵抗を感じました。
主人公がこの世に未練を残したキャラクターを成仏させる。成仏したキャラクターの魂(?)が宿った仮面をつけて、そのキャラクターに変身できる、という設定からも、情念漂う不気味さ。ネットリしたものを感じます。
ムジュラの仮面がラスボスで、不思議に穏やかな世界観の草原があり、ごっこ遊びをしていると最終バトルが始まります。
その無垢な感じの怖さよ。
魔王っぽい野心や野望がないところも怖ければ、
ただ呪いの念だけで動いてるところも怖い。
RPGのくせにホラーづくしです。
どちらとも素晴らしいゲームです。
面白いストーリーと絶妙なセンスは、大人も子供もどハマりするほど。
ただ、ぱっと思い出すのが、あの生々しい生と死の描き方。
商業的なヒットを飛ばしたにしては、すごくニッチなところに力を込めてたゲームだったなあと思います。
往々にして名作ってそういうものか。
どちらも好きなゲームですが、特に「ムジュラの仮面」が大好きです。
エッチさよりオカルトが好き。
幽霊とか亡霊とかゾンビとかがたくさん出てくる「イカーナ地方(谷)」周辺が好き。マニアックな細部を語りだすとキリがないくらい。
タイトルの趣旨から逸れますが、
三日後に世界が滅びるのにお祭りを開くかどうかで大人たちが揉めているのも、伝統主義な良さと悪さが混在していて良いですよね。
本質の似た問題が、現実世界でもたびたび起こって、ニュースが炎上しているのを見ていると「ムジュラの仮面の大人の世界ってリアルだったなぁ」と思います。